英語の序数を表すとき、「1st」「2nd」「3rd」と続いていくのが一般的ですが、「3th」と表記してしまう方を時々見かけます。一見それほど違和感がないようにも感じるかもしれませんが、実はこれは英語では誤りとされる表記です。
ではなぜ「3rd」が正しくて、「3th」は間違いになるのでしょうか?
この記事では、序数の基本ルールから「3rd」と「3th」の違い、間違えやすい理由、日本人がこのスペルミスをしてしまいやすい背景、さらに正しい覚え方のコツまで詳しく解説していきます。
ちょっとしたスペルの違いが、ビジネスメールや試験、英会話の信頼性にも関わってくることがあります。
間違いやすいこのテーマをしっかり理解して、正確な英語力を身につけましょう。
そもそも“3rd”と“3th”の違いとは?
英語で「3番目」を表す序数は「3rd」が正しい表記ですが、「3th」と書いてしまうミスも少なくありません。
一見「1th」「2th」と続いていそうに見えるこのルール、実は最初の3つに限って特別な変化をするのです。
この章では、「3rd」と「3th」の違いを基本から確認し、なぜそのような表記になるのかを丁寧に解説していきます。
“3rd”が正しい理由と語源
これは古英語の名残で、first は「先頭」、second は「次に来るもの」、third は「three に由来する語」から派生した言葉です。
したがって、「3rd」は正式な略語として定着しており、「3th」は英語としては存在しない誤表記となります。
“3th”が間違いとされる理由
“3th”は、「1th」「2th」と同様に、ルールを機械的に当てはめた結果の間違いです。
実際には「1st」「2nd」「3rd」までが不規則変化で、それ以降は「4th」「5th」などのように“th”をつけていきます。
しかし、最初の3つが特例であることを知らないと、「3rd」を「3th」と誤って覚えてしまいやすくなります。
とくに英語を第二言語として学ぶ人にとっては、“th”が基本に見えるために引きずられてしまうケースが多く、注意が必要です。
よくあるスペルミスとその原因
“3th”という表記は、SNSや手書きのメモなどでよく見られるスペルミスのひとつです。
原因としては、「3」という数字を見て、直感的に“th”をつけてしまう思い込みが挙げられます。
また、日本の学校では序数を詳しく扱う機会が少なく、「数字+thが原則」とだけ覚えてしまっている人も多いのが実情です。さらに、発音上も“third”の「rd」部分が聞き取りづらく、見た目と音が一致しにくいこともミスにつながる理由の一つです。
英語の序数のルールと“rd”が使われる仕組み
英語の序数(ordinal numbers)は、「順番」や「順序」を示すときに使われる言葉で、1st(first)、2nd(second)、3rd(third)のように、基数(cardinal numbers)とは異なる形で表現されます。
序数には基本ルールがありますが、冒頭のいくつかは例外的な表記となっており、混乱しやすいポイントです。
ここでは、序数の仕組みや“rd”が使われる理由について詳しく見ていきましょう。
序数とは何か?基数との違い
英語で数を表すときには、「いくつあるか」を示す“基数”と、「何番目か」を示す“序数”の2種類があります。
たとえば、「three」は基数で「3個」を意味しますが、「third」は序数で「3番目」を意味します。
基数は数量を表すのに対し、序数は順序を表す点で大きく異なります。
日付、順位、並び順など、英語では意外と頻繁に序数が使われているため、正しい形を理解しておくことはとても重要です。
1st・2nd・3rdなどの語尾変化のルール
英語の序数の中でも、1~3は特別な語尾を持っています:
- 1st:first(-st)
- 2nd:second(-nd)
- 3rd:third(-rd)
これらは古英語由来の表現であり、単純に「数字+th」のルールには当てはまりません。
4以降の数(4th、5th、6th…)は、数字に“th”を付けることで序数として成立します。
このように、1~3は「特別な綴り」、4以降は「規則的な綴り」という区別を覚えておくと、序数のルールを正しく使い分けることができます。
4以降の序数と例外のない使い方
「4th(fourth)」以降の序数は、すべて規則的に“th”を語尾に付けて作られます。
5th(fifth)、6th(sixth)、10th(tenth)、21st(twenty-first)のように、10の位・1の位に応じて語尾が変化します。
ただし、例外的に1の位が1、2、3になる場合(例:21st、22nd、23rd)は、それぞれ“st”“nd”“rd”を付けて表現する必要があります。
たとえば「33番目」は“33rd”が正解であり、“33th”とは書きません。
語尾の判断は、数字の最後の桁に注目するのがポイントです。
日本人が“3th”と書いてしまう理由
英語圏の人々にとっては当たり前のように使い分けている序数表現も、日本人の英語学習者にとっては少しややこしく感じられるものです。
特に「3rd」の代わりに「3th」と書いてしまうスペルミスは、学校のテストやSNS投稿、さらにはビジネスメールでも見られることがあります。
ここでは、なぜ日本人にこうした間違いが多いのか、その背景を探ってみましょう。
thの語尾が基本に見える落とし穴
学校の英語授業では、「4th(fourth)」「5th(fifth)」など、thで終わる序数を多く見かけるため、「数字+thが基本形」と誤って刷り込まれてしまうケースがよくあります。
確かに4以降の序数ではthが主流ですが、1〜3に関しては特別な変化があることをしっかり教わらないまま覚えてしまうと、「3もthだろう」と機械的に当てはめてしまうのです。
これは、英語学習初期における教え方の影響が大きいと言えるでしょう。
音だけで覚えてスペルを誤るケース
「third(3番目)」の発音は「サード」と聞こえますが、英語に不慣れなうちはその語尾“rd”の音が認識しづらく、「サード=3th」と誤って覚えてしまうことがあります。
特に、音だけで覚えた場合や、文字を見ずに会話だけで英語に触れている人にとっては、“rd”と“th”の違いは分かりにくく、混同しやすいポイントです。
視覚と聴覚の両方で覚えることができないと、このようなスペルミスが起こりやすくなります。
学校教育での教え方との関係
日本の英語教育では、文法や構文に重点が置かれる一方で、序数の細かい使い方やスペルの変則性についてはあまり深く扱われない傾向があります。
たとえば、1st〜3rdのような「例外処理」は、リストとして暗記するだけで、背景や理由を詳しく教わることは少ないかもしれません。
そのため、記憶の中で「3番目=3th」という誤解が生まれやすく、気づかないまま使い続けてしまう人も少なくありません。
正しく覚えるためのコツと覚え方
英語の序数表現は、数の順番を伝えるうえで欠かせない重要な知識です。
特に1st・2nd・3rdのような不規則な序数は、最初に正しく覚えておかないと後々まで混乱のもとになりかねません。この章では、「3rdと3thを間違えない」ために有効な記憶法や、日常に取り入れやすい学習の工夫をご紹介します。
1st〜3rdは“特別扱い”として覚える
まず基本として、「1st(first)」「2nd(second)」「3rd(third)」の3つは“特別な表記”であるという意識を持つことが大切です。この3つだけは例外的な語尾変化を持つというルールを、他の数字とは別枠で覚えましょう。
たとえば「王様グループ」として最初の3つはVIP扱いだとイメージすると記憶しやすくなります。
4以降はすべて“th”と覚えれば、頭の中で明確に区別がつき、誤用を避ける手助けになります。
語尾だけでなく発音にも注目する
スペルだけでなく、英語の発音とセットで覚えることも有効です。
「third」は「サード」と読みますが、“th”の音ではなく“rd”が語尾として含まれています。この“rd”の発音は独特で、「ふわっとした“r”の巻き舌+“d”」という構成になっています
。たとえば「first(ファースト)」「second(セカンド)」「third(サード)」という一連の発音を何度も声に出して練習することで、自然とスペルと音のリンクが強くなり、間違いにくくなります。
実例とセットで学ぶのが効果的
実際の文章や例文の中で「3rd」がどのように使われているかを確認するのも、理解を深めるうえで非常に効果的です。たとえば「He came in 3rd place.(彼は3位でゴールした)」や「My birthday is on the 3rd of July.(私の誕生日は7月3日です)」など、身近な例を使って反復練習することで記憶に残りやすくなります。
単語単体ではなく、実際の使われ方とセットで覚えることで、応用力も自然と身についていきます。
実際に“3th”が使われていた誤用例
英語の序数表記における「3th」という誤用は、学習者に限らず、意外と多くの場面で見かけられます。
SNSや日常会話、ビジネス文書、さらにはポスターや商品パッケージなど、公的な場面でも誤って使用されているケースがあり、注意が必要です。
この章では、実際に「3th」という表記が使われてしまった例や、それによるトラブル、気をつけるべきポイントを具体的にご紹介します。
SNSや日常会話での誤用
TwitterやInstagramなどのSNSでは、「Happy 3th Birthday!」といった投稿を見かけることがあります。
特に英語を母語としないユーザーや、英語圏外の子どもの誕生日投稿などでよく見られる間違いです。
また、手作りのバースデーカードや装飾にも「3th」と印刷されていることがあり、見た人に「ん?」と違和感を与えることもあります。
これらの誤用は、悪意がない分だけ広まりやすく、英語学習の初期段階で見てしまうと、誤った知識として定着するおそれがあります。
ビジネスメールでの注意点
ビジネスの現場でも、「3th quarter(第3四半期)」や「3th anniversary(創立3周年)」といった表記がメールや資料に使われてしまうケースがあります。
こうした間違いは、相手に「基本的な英語表記ができていない」といった印象を与えてしまい、信頼性を損なう原因にもなり得ます。
特に、海外とのやりとりがある職場では、こうした表記ミスが評価や商談に悪影響を与えることもあるため、細かい部分にまで注意を払う姿勢が求められます。
子どもの英語学習における指導例
英語教室や小学校の授業でも、「3th」と書いてしまう児童を指導する場面がしばしばあります。
子どもたちは基本的に規則性を重視して学ぶため、「4th」「5th」に続けて「3th」と書いてしまうのは自然な流れとも言えます。
そのため、指導者側は「1〜3は特別」ということを明確に伝え、3rdだけでなく1st・2ndもセットで繰り返し教えることが大切です。
視覚教材やカードゲームなどを活用して、自然と正しい形が身につくような工夫が効果的です。
まとめ
英語で「3番目」を表す正しい表記は“3rd”であり、“3th”は間違いです。
しかし、thが基本の語尾と誤認されてしまうことも多く、特に日本人学習者の間ではよく見られるスペルミスのひとつです。その背景には、英語教育における説明不足や、音と綴りのギャップ、ルールの例外性への理解不足などが影響しています。
序数の中でも1st、2nd、3rdは特別な語尾を持つことを“例外”として認識し、他の数字とセットで覚えないようにすることが大切です。
また、正しい発音や文中での使用例とともに覚えることで、自然と正確な記憶が定着しやすくなります。
SNSやビジネス文書などでの誤用を避けるためにも、「thをつければ正解」という思い込みを捨て、1〜3の表記は特別な形であることを意識して使うよう心がけましょう。
正しい表現を身につけることは、信頼される英語力への第一歩となります。