子どもが使う機会も多い絵の具。
楽しいお絵かきの時間のはずが、気がつけば服や壁にべったり…なんて経験、ありませんか?
とくにアクリル絵の具などは一度乾いてしまうと落としにくく、あわてて洗ってもうまく取れないことも。
そんなときに意外と使えるのが「歯磨き粉」なんです。
この記事では、衣類や壁、床についた絵の具汚れを落とす裏ワザとして、歯磨き粉の活用法を徹底解説。
加えて、家庭にある代替アイテムや素材別の注意点、やってはいけないNG行動まで幅広く紹介します。
「洗濯しても落ちない…」と困っている方や、「大人買いのTシャツが台なしに…」とがっかりしている方も、この記事を読めば安心。
お子さんの作品作りも、お掃除も、気持ちよく楽しめるヒントが満載です。
服についた絵の具汚れに歯磨き粉が効くって本当?
子どもが絵の具遊びや学校の授業で使ったあと、「うっかり服にべったり!」ということはよくあります。
とくにアクリル絵の具などは乾くと取れにくく、市販の洗剤でも完全には落ちないことも。
そんなときに“意外と使える”と注目されているのが、身近なアイテム「歯磨き粉」です。
ここでは、なぜ絵の具が落ちにくいのか、そして歯磨き粉がどんなふうに役立つのかを解説していきます。
絵の具の汚れが落ちにくい理由とは?
絵の具は、種類によって落ちやすさが大きく変わります。
- 水彩絵の具
水溶性であるため濡れていればある程度洗い流せますが、乾燥すると繊維の奥に染み込んでしまいます。 - アクリル絵の具
乾燥すると“耐水性の膜”をつくるため、ただの水洗いではなかなか取れません。 - ポスターカラー
顔料が多く含まれているので、色が定着しやすいという特徴があります。
このように、汚れの性質がさまざまなので、正しい対処法を知ることが大切です。
歯磨き粉で落ちる仕組みを解説
歯磨き粉には「研磨剤」が含まれており、これが汚れを“物理的にこすって落とす”役割を果たします。
特に粒子の細かいタイプであれば、服の繊維に入り込んだ絵の具汚れを浮かせる効果が期待できます。
また、歯磨き粉に含まれる界面活性剤には、油分や顔料を落とす働きもあるため、絵の具のタイプによっては「洗剤と研磨のハイブリッド効果」で高い洗浄力を発揮することがあります。
アクリル、水彩、ポスターカラー別の落とし方
それぞれの絵の具タイプによって、歯磨き粉の効果や使い方も少し変わってきます。
- 水彩絵の具
濡れた状態なら水だけでもかなり落ちます。仕上げに歯磨き粉で軽くこすればOK。 - アクリル絵の具
乾いてしまうとかなり落ちにくいため、早めの処置が重要。
まず水で湿らせ、歯磨き粉をつけてやさしくこすります。 - ポスターカラー
顔料が強いため、繊維に染み込む前の対応がカギ。
できればぬるま湯で湿らせたあと、歯磨き粉を使って丁寧に対処します。
どの絵の具でも、「乾く前に対処すること」が汚れ落としのポイントです。
実践!歯磨き粉を使った基本の落とし方
以下が、一般的な手順です。
- まず汚れ部分をぬるま湯で湿らせます
- 少量の歯磨き粉を直接塗布
- 指や歯ブラシでやさしく円を描くようにこすります
- 汚れが浮いてきたらぬるま湯でしっかりすすぎます
- 通常どおり洗濯機で洗えば完了
ポイントは、「強くこすらない」こと。生地を傷めないよう、やさしく行いましょう。
研磨入り・ジェルタイプなど種類ごとの使い分け
実は、歯磨き粉にもいろいろな種類があります。
- 研磨剤入り(ホワイトニング系)
絵の具の“乾き汚れ”には効果大。ただし、デリケートな素材には不向きです。 - ジェルタイプ(研磨剤なし)
汚れが落ちにくいですが、生地を傷めないので優しく仕上げたいときにおすすめ。 - ミント系など香りつきタイプ
汚れ落ちに支障はないものの、香料によって色残りや変色のリスクがあるので注意が必要です。
不安な場合は、目立たない場所で試してから使うのが安心です。
子ども服の応急処置にも!歯磨き粉で汚れを落とすコツ
子どもが絵の具で遊んだあと、「あっ…服にべっとり!」というハプニング、よくありますよね。
お気に入りのTシャツや制服についた絵の具汚れは、できればキレイに落としたいもの。
そんなときの応急処置としても、歯磨き粉は意外と役に立ちます。
ここでは、子ども服でも安心して使える「絵の具汚れの落とし方」をくわしく解説していきます。
時間との勝負!乾く前にやるべきこと
絵の具汚れは「乾く前」が勝負どころ。特にアクリル絵の具は乾くと布に強く定着してしまい、なかなか落とせなくなります。
汚れたことに気づいたら、まずは…
- すぐに乾いたティッシュで軽く押さえる(こすらない)
- 水かぬるま湯で濡らして絵の具をふやかす
- 広がらないよう内側から外へポンポンと叩く
この段階で絵の具をできるだけ浮かせておけば、後の処理がとても楽になります。
歯磨き粉を使う際に気をつけたい3つのポイント
- やさしくこすること
力を入れすぎると生地を傷めてしまうので、指や柔らかめの歯ブラシでやさしく。 - 白い歯磨き粉を選ぶこと
カラフルな歯磨き粉やミント系の香料入りは、変色リスクがあるため避けましょう。 - 事前に目立たない場所でテスト
素材によっては歯磨き粉と相性が悪い場合も。必ずテストしてから使いましょう。
食器用洗剤や重曹との合わせ技もおすすめ
歯磨き粉だけで落ちにくい場合は、他の家庭用品との組み合わせも効果的です。
- 食器用洗剤+歯磨き粉
界面活性剤が油分を分解し、汚れが浮きやすくなります。 - 重曹+歯磨き粉
どちらも研磨作用があり、アクリル絵の具などのこびりついた汚れに強いです。
いずれも少量ずつ使い、よくすすぐことがポイントです。
ウールやシルクなどデリケート素材の扱い方
デリケートな素材に絵の具がついた場合は、歯磨き粉の使用は慎重に行いましょう。
- ウールやシルクは繊維が細かく、研磨剤で傷つきやすい
→この場合、研磨剤なしのジェルタイプ歯磨き粉を使う方が安心です。 - 水で色落ちしやすい素材もある
→洗浄前に目立たない場所で色落ちテストを行ってください。
素材に自信がない場合は、無理せずクリーニング店に相談するのも選択肢です。
洗濯機に入れる前にできるひと手間とは
いきなり洗濯機に入れてしまうと、汚れが広がったり、色移りすることも。
以下のひと手間を加えておくと安心です。
- 歯磨き粉で処理した部分をぬるま湯でよくすすぐ
- 部分洗い用の石けんや液体洗剤をなじませる
- 他の衣類とは分けてネットに入れて洗う
この一手間が、洗濯後の仕上がりに大きな差を生みます。
壁や床に付いた絵の具にも使える?掃除への応用法
子どもが夢中でお絵かきしていると、気づかないうちに絵の具が壁や床についてしまうことも。
衣類と違って簡単には洗えない場所だけに、汚れを見つけるとちょっと焦りますよね。
そんなときも、歯磨き粉を使ったやさしい掃除方法が役に立ちます。
ここでは、素材別の落とし方や気をつけるポイントをまとめました。
壁クロスに使える?やさしく落とす手順
ビニールクロスなど一般的な壁紙には、歯磨き粉を少量使ってやさしくこすることで汚れを落とせる場合があります。手順としては以下の通りです。
- 水で軽く湿らせた柔らかい布かスポンジを用意
- 歯磨き粉をほんの少し乗せて、こすらず“ポンポン叩く”ようにあてる
- 汚れが浮いてきたら、ぬるま湯で湿らせた布でふき取る
※紙系の壁紙や表面加工がない素材は、色落ち・変色の恐れがあるため使用前に必ず目立たない場所でテストしてください。
フローリングに絵の具がついたときの対処法
木製のフローリングの場合、塗装やワックスの種類によっては研磨剤入り歯磨き粉が合わないことがあります。
対処法としては…
- まずはぬるま湯で湿らせたタオルでやさしくふき取る
- それでも残る場合は研磨剤なしのジェルタイプ歯磨き粉を少量つけて布でこする
- 汚れが落ちたら、水拭きと乾拭きでしっかり仕上げる
強くこすらず、部分的に少しずつ作業するのがコツです。
歯磨き粉を使う前に素材をよく確認しよう
歯磨き粉には研磨剤が入っているものもあるため、使う場所の素材によっては傷をつけてしまう可能性があります。
使う前には以下を確認しましょう。
- 表面がツルツルした素材(プラスチック・タイルなど)→比較的安心して使える。
- 木製・無塗装の壁や家具→要注意、なるべく避けるか目立たない場所でテスト。
- 壁紙クロス・布張りなど→色落ちの可能性あり、慎重に。
素材に合わないと逆に汚れが広がったり、表面が傷むこともあるので要注意です。
強くこすらなくても落とせる“湿らせテク”
実は、力を入れてゴシゴシするよりも、「湿らせて浮かせて落とす」方が効率的。
次のような手順が効果的です。
- 汚れの部分にぬるま湯で湿らせたキッチンペーパーを数分貼る
- 絵の具が柔らかくなったら、やわらかい布+歯磨き粉少量でやさしくなじませる
- 最後に水拭き・乾拭きをして完了
この“湿らせて浮かせる”方法は、壁紙や床材を傷めずに済むのでおすすめです。
歯磨き粉以外で人気の掃除グッズも紹介
歯磨き粉が使えない場合は、以下のような市販の掃除グッズも便利です。
- メラミンスポンジ(激落ちくん)
→軽いこすりで汚れが落ちる。ただし壁紙には注意 - クエン酸・重曹スプレー
→自然派クリーナーで汚れ落としに定評あり。床や家具にも使いやすい - 住居用中性洗剤
→壁紙や床の素材に対応しているものを選べば安心
こうしたグッズをうまく組み合わせれば、家庭にあるもので汚れ落としがしっかりできます。
絵の具汚れを落とすときにありがちなNG行動とは?
絵の具が服や床についてしまったとき、あわてて間違った対処をすると、かえって汚れが広がったり、落ちにくくなってしまうことがあります。
ここでは「ついやってしまいがちだけど実はNG」な行動を紹介しながら、正しい対処のヒントもあわせて解説していきます。
お湯ですすぐのは逆効果になることも
「汚れはお湯のほうがよく落ちる」と思いがちですが、絵の具の種類によってはお湯で広がってしまうことがあります。
特にアクリル絵の具などは、熱で固まる性質があるため、お湯を使うと逆に繊維の奥まで染みこんでしまうケースも。まずは水で軽くすすぎ、汚れを浮かせるように落とすのが基本です。
メラミンスポンジの使い方に注意!
「激落ちくん」などのメラミンスポンジは便利な掃除道具ですが、壁紙や塗装された床に使うと表面を削ってしまう恐れがあります。
特にザラついた素材や柔らかい素材には不向き。
使う場合は、目立たない場所で少しだけ試してからにしましょう。
漂白剤はNG?素材によっては要注意
頑固な汚れを見ると「漂白剤で落とそう!」と思うかもしれませんが、色柄ものの衣類やフローリングには不向きです。
素材によっては色落ちしたり、表面が傷むことも。
どうしても使いたい場合は、必ず表示を確認し、素材と相性のよいタイプを選ぶことが大切です。
色が広がる前にすばやく対応するコツ
絵の具がついた直後は、まだ乾いていないことが多いので、すぐに対応すれば落ちやすくなります。
以下のポイントを意識しましょう。
- ティッシュやキッチンペーパーで“押さえるように”拭き取る
- ゴシゴシこすると汚れが広がるため、こすらず吸い取る
- できればその場で水ですすぐ or 濡れ布巾でふき取る
乾いてしまうと落ちにくくなるので、“スピード対応”が鍵です。
残った汚れを定着させないための工夫
見た目には落ちたように見えても、繊維や素材の奥に残った汚れがあとから浮き出てくることもあります。
そんなときは、以下の工夫が効果的です。
- 洗濯前に台所用洗剤+ぬるま湯で再度もみ洗い
- 洗濯後すぐに乾燥機にはかけず、自然乾燥で様子を見る
- 気になるときは再度部分洗いを試す
しっかり落ちたかどうかを確認してから乾かすようにすると、定着を防げます。
まとめ
絵の具の汚れは、ついた直後の対処がとても重要です。「あっ!」と思った瞬間に、焦らず適切な方法で対応することで、服や壁、床などをきれいな状態に戻せる可能性がグッと上がります。
歯磨き粉を使った掃除法は意外かもしれませんが、やさしく落とせて素材を傷めにくい便利な方法です。
また、使う歯磨き粉の種類や素材への影響にも気をつけながら、落とす順番やテクニックを工夫してみてください。
どうしても落ちないときには、市販の専用クリーナーや自然派の洗剤を活用するのもおすすめです。
家庭にあるもので無理なく対処できる方法を覚えておけば、急な汚れにも慌てず対応できますよ。